住宅ローンは、どこから借りると良いの?金利は変動?固定?よくわからない手数料と保証料、保険って何?など・・・ 実際に住宅ローンを借りる時に不明だと思ったことを解明していきます。さらに今後の金利シミュレーションを踏まえて、比較していきます。
正式には意味が違う保証料と手数料ですが、名前は違うもののどちらも実質的には銀行に支払うローンの「基本料金」とイメージしてください。
銀行から借りる場合、保証料または手数料として、借り入れ金額の約2%〜3%程度が必要となります。
保証料は信用状況によって、3〜4%程度になる場合もあります。保証料は、繰上げ返済によって借り入れ期間が短縮となると、一部が返ってきます。ただし、あまり期待はできないとのことです。
・保証料が0円でも、手数料が必要な場合がある。
・保証料と手数料が0円でも、金利に上乗せされている場合がある。
・どちらも無い場合は、そもそも金利が高く設定されている。
・・・というわけなので、保証料なし!という広告を見て安いと思うと危険です。
3000万円借り入れる場合は、手数料か保証料として、最低70万円程度は必要と思っておいたほうが良いです。
一番悩ましいのが固定金利か変動金利、どちらを選ぶかです。
また、固定金利であっても、3年、5年、8年、10年、20年と各種様々があります。
返済期間を20年以上を考えている場合、固定金利と言っても、5年程度の固定金利ならば、変動金利と同じと認識しておいた方が良いでしょう。
2015年1月現在、実質の金利は変動金利では、0.6%〜0.9%程度です。しかし、過去の金利の推移から見ると、現状は低金利であり、今後、金利が上昇するリスクが含まれていると考えていたほうが良いです。 安定志向ならば・・・ 35年固定のフラット35Sをオススメします
低い金利をPRしている住宅ローンにおいて注意しなければいけないのは、店頭価格からの引下げ幅の「有効期間」です。
例えば、
「金利0.5% 当初引き下げタイプ 5年間 −2.0%、以降−0.7%」と記載している場合、
店頭金利からの下げ幅には、現在の金利が、0.5%でも、6年後からは1.8%に跳ね上がります。
「通期引き下げタイプ」と記載がある場合は、完済まで店頭金利から、同じ率の引下げ率が適用されます。
しかし、変動金利の場合は、店頭金利自体が変化するため、同じ金利が継続するとは限りません。
「通期引下げ」でない場合は、今後、金利が大幅に上がる可能性があるので、上がった後の金利を確認しておく必要があります。
次に重要なのが「保険」です。 これは必ず入っておいたほうが良いです。
団体信用生命保険料
団体信用生命保険は、万が一死亡等の際にローン残高が保険から返済されると言う保険です。
基本的に銀行から借りる場合は、この保険に入らないといけない加入が必須の保険と言って良いでしょう。ただし、この保険は、追加料金なしでセット付与されているローンが多くあります。
三大疾病や七大疾病、八大疾病などの保障付きローン
ガンと診断されたらその後のローンはすべて保険から支払う、というローンです。
この保険は、金利を+0.2〜+0.3%程度多く支払うことで加入できます。
最近ではこのタイプの保険に入ることができる銀行が増えています。
◆フラット35の場合の注意事項
フラット35の場合、これまでは団信に別途加入する必要があったのですが、2017年頃から保険料に含まれるようになり、別途かける必要がなくなりました。
火災保険の加入は、金融機関によって必須でないところもありますが、万が一のために、少なくともローン期間は火災保険に入っておいたほうが良いです。
建物価格が1500万円(約30坪相当)の場合、安くて20万円程度が相場です。
見落としがちなのが、その他の費用。
<抵当権設定登記費用>
ローンを組む場合、抵当権というものを設定します。
抵当権設定登記をするには登録免許税という税金を支払う必要があります。
この場合、借りた金額の0.4%となります。
3000万円の抵当権を設定する場合、0.4%の12万円が抵当権の設定登記に関わる税となりますが、平成27年度税制改正により、住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置が2年間の延長となり、平成29年3月31日までは、特例の0.1%が適用されます。
その場合、3000万円の抵当権を設定する場合、0.1%の3万円となります。
<司法書士への報酬>
抵当権設定登記を司法書士に依頼することを前提に、手数料が設定されている場合があります。
「司法書士報酬」と呼ばれているもので、住宅ローンを利用し、住宅又は土地に抵当権を設定する場合に、法務局(登記所)への登記申請を司法書士に依頼するときに支払う報酬です。
費用は依頼する司法書士によって異なりますが、6〜10万円程度が多いとのことです。
<印紙代>
銀行などと契約時に「金銭消費貸借契約書」を締結します。
その際に、印紙税を納める必要があります。
500万円超〜1000万円以下:10000円
1000万円超〜5000万円以下:20000円
5000万円超〜1億円以下 :60000円
3000万円を借りる場合は2万円の印紙を貼ります。
3000万円借りる場合の初期費用(基本料金)
金利以外に必要なお金は
◆銀行ローンの場合、どのプランでも概ね 100万円程度(=手数料・保証料70万円+火災保険20万円+司法書士手数料・印紙10〜20万円)が必要となります。
◆フラット35の場合、手数料は概ね1%で銀行の半額です。しかし、建築会社での対応が必要なため別途建築会社への手数料等が発生し、結果、概ね80万円程度(=手数料30万円+火災保険20万円+司法書士手数料・印紙10〜20万円+建築会社手数料10〜20万円)が必要となります。
※初期の諸経費を抑制する代わりに金利がアップされるプランの場合は異なります。そのプランの場合、総支払額で見た場合、当初の支払い額よりも多くなります。
2015年現在、これまででもっとも住宅ローンの金利が低い状況となっています。
住宅ローンは、「ローンの返済総額がいくらになるのか」 が重要となります。そこで、いくつかのシナリオを設定して、シミュレーションをしてみました。
※火災保険、疾病保険は除いています。
※2015年2月時点の情報を元にシミュレーションをしています。
<シナリオ1> 現実的イメージで甘めで見積もった場合 現在の金利は低いが、年を経過するごとに上昇し、16年目以降、年1.5%になる場合。 ※年1.5%でも過去の金利水準から見ても十分に低い方です。 1〜 5年目 0.55% 6〜15年目 0.90% 16〜35年目 1.50% 借入れ金額: 3,000万円 利息相当 : 560万円 ------------------------- 合計 : 3,560万円 +初期費用: 100万円 |
<シナリオ2> 現実的イメージで堅めに見積もった場合
現在の金利が10年間継続し、その後、過去の実質平均的な水準になる場合のシナリオです。 +初期費用: 100万円 |
<シナリオ3> 夢のシナリオ(これで計画を立てると危ない!!)
現在の金利が継続するシナリオです。低金利がしばらく続いていますが、 +初期費用 : 100万円 |
<シナリオ4> 全期間固定金利での確定シナリオ
フラット35は全期間固定金利なので、このシミュレーションは確定プランです。 手数料定率型(手数料が借入金の1%)のプランの例です。フラット35Sを利用する場合、建築会社での対応があるため、約15〜20万円程度の費用が別途必要となります。 フラット35S(金利Aプラン)
借入れ金額 :3,000万円 +初期費用: 80万円 |
3000万円を借り入れた場合、上記のシミュレーションでは、3400万円〜4130万円となります。
フラット35Sの場合、3680万円程度となり、中間的なイメージです。
少し高いけども安心をとるか、今後も低金利を期待するか・・・・
このあたりを踏まえて、ローンを検討したらよいと思います。