注文住宅など間取りを自由に決められる自由設計。
ある程度間取りを自由に設計できる半面、実際に家が出来上がってみると・・・「あれ?イメージと違う!」なんてことも。
注文住宅・自由設計と決めたら、まずはこれだけは見ておけば良いと思うことをまとめました。
土地や建売の家を探している場合にも役立つ情報もまとめています。
ここで失敗すると、費用が思いのほか高くついて思い通りの家にならない・・・かもしれません。
現在では、耐震基準もかなり厳しくなっており、外壁も「防火サイディング」となっているため、どこで建てても、実際には大きく変わらないということもあります。
家のローンで後の生活が回らない・・・なんてことにならないように、自分の収入と、予算と今後のローンと相談をして、決めていくことをお勧めします。
一言:家は "消耗品" です
時間があれば、家の広告チラシを見てみましょう。40〜50年前に建てられた家は「古家付き」として土地のおまけ扱いになっている所もあります。
分類 | 特徴 | コメント |
大手ハウスメーカー | ・基本的に高額だが、いろいろなオプションが追加されて更に費用が上がる ・CMなど広告を多く出している ・外壁や家のデザインはある程度絞られるため、似たような外見の家になりがち ・断熱効果などを訴求していることが多い ・実際に施工するのは、孫請やひ孫請けの会社 ・部材の追加料金は、定価近くとなる場合もある ・担当者との人間関係で安心感を訴求してくることが多い |
お金に余裕があれば無難な選択でしょう |
格安ハウスメーカー | ・一見安いように見えるが、いろいろなオプションが追加されて予想よりも高額になる場合がある ・実際に施工するのは、孫請やひ孫請けの会社 ・部材の追加料金は、定価近くとなる場合もある |
標準に含まれていない範囲と、追加時の単金に注意 |
地場の工務店 | ・比較的相場の価格となる場合が多い ・設計デザイン料は含まれている場合がある ・ある程度、家のデザインの融通が利く ・坪〇〇万円の標準仕様で対応する工務店もある ・地域に実績があるので、実際の家をみることができる ・部材の追加料金は、定価の50%程度で対応してくれる場合もある |
地域で長い実績と評判が良く、お抱えの大工さんがいるような工務店が見つかるとベスト 新興の会社は慎重に |
新興のデベロッパ | ・自前に大工を抱えてらず、別途工務店や大工に発注する会社が多い。 ・建築士も抱えてない場合もある ・別途設計デザイン料が必要となる ・安価な部材を使用することで費用を抑えることがある ・部材の追加料金は、定価近くとなる場合もある |
その会社が作った家のデザインが気に入っていれば良い選択です 新興の会社は慎重に |
◆実際に工事をしていたのは、聞いたことのない孫請けの会社だった。
◆工事車両が道路を占有したり、路上駐車をしているが、きちんと行政から許可を取っているような気がしない。
◆実際はマナーが悪い二流の業者が作業していたことを後で聞いた。建設中の評判が良くなかった話を聞いた。
◆担当の人はいい人だったので、結果的に高額にはなったけど、まあいいかと思った。
◆知り合いが故に、言いたいこともあまり言えず、結局、納得いかない所があるまま完成してしまいました。
◆価格交渉で気を遣い、言い値で契約することになった。
◆食事の用意など、余計な気遣いが必要となった。
◆後で不具合が見つかっても、人間関係に傷をつけたくないので、言いにくい。
◆友人の紹介の業者に頼んだが、費用の割に、設計や品質に納得感がなく、結局、友人との関係も気まずくなりました。
家を作るとなると「知り合いの業者」や「取引関係の業者」など、知り合い伝手で、設計や建築を依頼する 、というケースもあるでしょう。
しかし、注文住宅・自由設計の場合、契約や設計時に気を遣ったり遠慮をすると、最終的に納得いく家にならないことも。
建てる側の「自己中心」で進める必要がある場面もあります。場合によっては駆け引きも必要です。
そこで遠慮をしてしまったり、気を使う相手ならば、違うところにお願いした方が良いでしょう。
また知り合いが故に、食事の対応など、細かなところに気を遣ってしんどくなってしまうこともあります。
また、トラブルが起きた時は紹介してくれた知人・友人との関係にもひびが入るということ。
業者選びは重要です。知り合い伝手の場合は、
◆昔からある地場の工務店では、腕が良い大工が居る、作りが丁寧、価格もお手頃な工務店があることを、建てた後で知った。
◆今風のデザインをPRしている新興の工務店にお願いしたが、雨仕舞・水仕舞いが甘い、使用している素材の質が悪い、断熱材の施工が甘いなどで後悔した。
地元で数十年と長く営業している工務店は、地域の事情をよく知っており、あらかじめ問題となることを教えてくれたり、腕の良い大工を抱えていたりと、様々なニーズに応えてくれたりするところもあるので、そのような工務店をあたってみるというのも手です。
逆に、新興工務店は、一見「いまどき」な家のデザインがありますが、屋根などの雨仕舞い、使用する木材の品質、外壁の素材、基礎などでコストダウンしている場合があります。特に「雨仕舞い」や「水回り」の工事については、しっかり確認した方がいいでしょう。
◆ハウスメーカーなどでは値引きをあらかじめ考慮した上で、上乗せして提示されていると思っておいた方が良い。
◆駆け引きが苦手で、値引きや価格交渉のやり方が分からなく、言い値で契約することになった。
◆交渉で値引きができることを後で知った。
◆いろいろな費用が加わって、当初想定していた価格よりも200〜300万円上振れした。
予算と希望の家は、なかなかうまくマッチしません。
概算の見積もりがでてきたら、必ず価格交渉をすることです。予算が十分ならばよいですが、マッチしない場合は、交渉が必要となります。
目先の値引きに惑わされずに、総額でみることが大切です。
言い値ですぐに契約することは避けましょう。
価格交渉をするときは以下を参考にしてみてはいかがでしょう。
●あらかじめ、「購入予定価格」の総額を明確にしておきましょう
予算やローンの支払いを想定し、土地+建物(+税)+ローン手数料+諸経費(約200万とみておく)を含めて、いくらならば即決するか、いくら以上ならばNGかをあらかじめ決めておくことです。手持ち資金とローンと年収などから、おおむね決まってきます。
業者に相談するときは、必ず予算は聞かれます。
●近辺の類似条件の物件の「見積り」を取得しておきましょう
どうしてもここでこの業者で建てたい、と思っていても、類似した条件での見積もりを必ず取りましょう。できれば2社以上あればよいです。
類似した他社物件の見積もり価格を見せて「このぐらいの価格にならないか」という値引き交渉をすることが有効的な手段です。
具体的に「見積書」の取得まですることが重要です。他社の見積書があると、本気度が伝わるので話が進みます。
●価格を引いてもらう場合、代わりの条件(条件のデグレード)を探っておきましょう
オープンハウスにすることを条件にした値引きを提示してくることもあります。ただし、オープンハウスにすることによる割引は、あらかじめ建築会社は織り込み済みなので、その他、更なる値引き方法を検討しましょう。
例えば、その建設会社が他のエリアで販売している住宅(建売)などがあれば、その建物価格を引き合いに、スペックの一部を「建売」に合わせることで、価格低廉化の交渉ができます。何も駆け引きなしの価格交渉はうまくいきません。
●「今日、即決するので2坪分サービスして欲しい 」
価格交渉が限界まで来た状況で、契約することを腹に決めた上での最後の交渉です。
例えば「今日契約書にサインをするので、建坪30坪で1500万円のところを、3坪分をおまけして、建坪33坪で1500万円にしてほしい」という具合に、具体的にお願いすることです。交渉によって+1.5坪に留まっても 、無いよりもマシです。1.5坪のおまけでも150万円安くなるのです。
●セット物件の場合は、土地に価格を寄せることを相談
合計金額が同じでも、土地に価格を寄せることで消費税分が変わってきます。 ただしあくまでも周囲の相場の範囲内での交渉です。既に織り込み済みで変らない場合もあります。
イラスト:素材good(https://sozai-good.com)