最近はIPoE方式(v6プラス・OCNバーチャルコネクトサービス)でインターネットに接続することが一般化してきています。
IPoE方式では、ISPから払い出されたグローバルIPv6アドレスを使用して、直接、IPv6アドレスでIPv6インターネット上の通信ができます。
ただし、IPv4アドレスは、IPv6パケットの中にIPv4パケットを入れてカプセリング化されて伝送され(IPv4 over IPv6)、接続事業者の装置からIPv4パケットが取り出されてIPv4接続での通信ができます。ただし、同じIPv4アドレスを複数人(接続?)でシェアされるため、通常65535個利用できるポートを任意に使用することはできません。そのため、通常、IPoE方式ではIPv4での自宅サーバの運営はできないとされています。
IPoE方式(v6プラス)の回線で、IPv4アドレスを用いたサーバを運営する場合は「v6プラスの固定IPサービス」でIPv4固定アドレスの払い出しを受けて、サーバを運営することになります。ただし固定IPサービスの費用が別途必要となってしまいます。
このページでは、IPoE方式(v6プラス等)を契約している回線で「PPPoE接続」方式を併用することにより、IPv4によるサーバの公開する方法について記載します。
なおIPoE方式
(v6プラス)を契約しておらず、従来からある「PPPoE」のみで接続している回線において、IPv4でWebサーバを公開するための設定については、 【フレッツで自宅Webサーバ@】PPPoE接続でWebサーバ/FTPサーバを立ち上げる設定(ひかり電話ルータ PR-500MIでの設定例 ) をご覧ください。 IPv4アドレスを用いたWebサーバ等を運営する場合で、ISP契約がIPoE(v6プラス)しか利用できない場合(PPPoE接続に対応していない場合)は、前述の通り「v6プラスの固定IPサービス」でIPv4固定アドレスの払い出しを受けて、サーバを運営することになります。 |
IPoEの環境で、IPv4の自宅サーバを運営する場合、PPPoEとIPoEを併用する設定が必要となります。ここでは、IPv4通信はPPPoE経由、IPv6通信はIPoE経由とする設定を行います。ただしPPPoEとIPoEともIPv4通信が行われてしまうため、サーバ運営に適しないIPoE経由のIPv4通信は使用しないよう、設定変更をする必要があります。
PPPoEとIPoE併用によるIPv4自宅サーバ運営には、以下3点の設定が必要となります。
@HGWの設定でPPPoEのセッションを張る(HGWに設定が入っていない場合は、ISPから通知されるPPPoEの接続先名・接続先ユーザ名・パスワードの情報が必要です)
AHGWの「配信事業者ソフトウェア」でIPoE IPv4を停止する
BHGWの設定で自宅サーバの公開設定を行う
次に、AHGWの「配信事業者ソフトウェア」でIPoE IPv4を停止する方法について、以下に記載します。
IPoEの契約をすると、HGWに「アプリ」が自動的に登録されています。(昔は「バンドル」と呼ばれていました)
なお、余談ですが、元々HGWにいろいろなアプリを配信して、宅内機器の制御やセキュリティー機能などを実現する狙いがあったようです。ただ結果として、ほぼIPoEのソフトウェア程度しか使用されていない状態です。
「配信事業者ソフトウェア」の設定画面は、
というアドレスをブラウザで打ち込むことで表示されます。(ちょっと隠しアドレスっぽいですね・・・)
上と同じ画面が表示されれば、IPoE(v6プラス)契約がある状態です。
もし、アイコンが表示されていない場合は、IPoE(v6プラス)の契約はありません。
IPoEでも「OCNバーチャルコネクトサービス」の場合は、アイコンのデザインが少し異なります。
アイコンをクリックすると、以下の画面が表示されます。
「高度な設定」をクリックします。
ちなみに、このTopページの画面では、現在IPoEで払い出されているIPv4アドレスが表示されます。
IPv4アドレスは複数接続でシェアされるため、「利用可能ポート」と記載されているポートのみが利用できます。Well-Knownポートは割り当てられておらず、IPoE接続で払い出されたIPv4アドレスを使って自宅サーバを運営することは難しい事が分かると思います。
「高度な設定」をクリックすると、上の画面が開きます。
ここで「IPv4の一時停止」をクリックして、設定します。
2. HGWの「配信事業者ソフトウェア」でIPoE IPv4を停止する
が終わりましたので、あとは
1. HGWの設定でPPPoEのセッションを張る
3. HGWの設定で自宅サーバの公開設定を行う
となります。
この 1 と 3 については <【フレッツで自宅Webサーバ(1)】PPPoE接続でWebサーバ/FTPサーバを立ち上げる設定> にて記載していますのでご参照ください。
設定が完了すると、IPv4の通信はPPPoEセッション経由、IPv6の通信はIPoE経由で通信されるようになります。自宅サーバ(IPv4)はPPPoE経由で外部から接続されることが可能となります。
なお、自宅の回線に割り振られているIPv4/IPv6アドレスについては
https://test-ipv6.com/index.html.ja_JP
などのサイトでも確認できます。
多分、以下のようにIPv4とIPv6で通信事業者が異なって見えている場合が多いかと思います。
IPv6testの結果(EDGE)IPv6アクセスがデフォルトなのですね
IPv4とIPv6で異なる経路(プロバイダ)でアクセスできています。
IPv6testの結果(Chrome) こちらはIPv4アクセスがデフォルトなのですね
ブラウザによっても、挙動が異なります。アクセスに用いたブラウザのデフォルト(IPv6優先か、IPv4優先か)も確認できます。
【関連ページ】NTTフレッツ光 ひかり電話ルータPR-500MIの設定方法(基本設定・HGWに無線LANルータを接続する場合)
【関連ページ】【フレッツで自宅Webサーバ(1)】PPPoE接続でWebサーバ/FTPサーバを立ち上げる設定(ひかり電話ルータ PR-500MIでの設定例 )
【関連ページ】【フレッツで自宅Webサーバ(2)】PPPoE(v4)とIPoE(v6)併用で自宅Webサーバを運営する方法(ひかり電話ルータ PR-500MIでの設定例)
以上です。