|近鉄電車レポ|
奈良県の大規模医療機関、奈良県立医科大のすぐ横には、近鉄橿原線の線路があります。
しかし、最寄り駅の八木西口駅は約800m程度と若干距離があります。
奈良県立医大の周辺には大きな病院も多くあり、連日、周辺の道路は大混雑、そして、駐車場も連日満車という状況です。
すぐ横に鉄道が走っているというのに、アクセスとしては活かされておらず、もったいないといえばもったいない状況です。
奈良医大の周辺には、高架道路ができたため、結構広いスペースがあります。(写真は2009.12撮影)
ここに立派な駅でなくても良いので、何らかの駅があればとても便利かと思います。
病院周辺道路の大混雑も緩和されるなどの効果もあるでしょう。
患者や学生の通学、医師の通勤などの利用者が増加し、近鉄の収益向上にも貢献すると思います。
(2009年12月記載)
2018年、なんと、奈良県立医大前に新駅をつくる計画が具体化しているようです。ちょっとびっくりです。
奈良県立医大の大学キャンパスを南西側に移転し、現在地は病院として機能を拡充するとのことです。
新大学キャンパスは八木西口駅からかなり遠くなってしまいます。
「奈良県立医大」の南側駐車場付近に駅を新設することで、病院へのアクセスと、大学キャンパスへのアクセスを確保する駅となるようです。
本当に駅ができる計画とのことで、びっくりです。
ただし、八木西口駅の廃止が前提になっているとのことです。
八木西口駅と言えば、もともとの八木駅で歴史のある駅です。
八木西口駅は大和八木駅の400m程度南側にあり、急行・普通が停車する駅です。運用上、大和八木駅と同一駅(なんと駅構内)扱いになっているという、日本でも非常に珍しい駅です。
周辺には住宅や商業施設、学校もあり、意外と利用者が多いのです。
ホームの北側すぐは、大阪線との連絡線がつながっています。
ホーム内には、なんと分岐ポイントがあります。この駅は橿原線と大阪線をつなぐ重要な場所となっています。また南大阪線の車両も大阪線の五位堂にある検修車庫へこの連絡線を通って向かいます。
八木西口は八木駅からつながっており、商店街もあり、それなりに利用者数も多い駅ですし、併存してもいいのでは・・・と思いますが・・・。 近鉄が廃止をしたがっているようですね。
八木西口駅は実質無人化しており、すぐ隣に大和八木駅があるので、廃止をしても近鉄にとっては大きなメリットはないかと思います。廃止しても、信号所として維持しなければいけないでしょう。それ以上に100年前からあって地域に慣れ親しんだ駅を廃止することで、地域・自治体・県から失う信頼の方が大きいかと思います。
ただでさえ奈良県では、高規格道路が次々と開通し、交通アクセスが自動車へ流れていっている状況を後押しすることになるでしょう。廃止することは、近鉄が自分自身のクビをしめることになるんじゃないでしょうか。
(2018年記載)
2022年、最近音沙汰がなかった奈良県立医大新駅について、新たなニュース。
奈良県からの強い要望もあり、これまで廃止が前提だった「八木西口駅」でしたが、一転、併存する方向で近鉄が了解したとのことです。
奈良県立医大の新駅設置に関する補助や認可などもあると思うので、近鉄にしても奈良県や橿原市を敵に回してしまうデメリットは大きいと思いますし、妥当な判断かと思います。
奈良県は次々と高規格道路を建設し、県内の交通手段は、現状、実質、鉄道から自動車へ変わってしまっています。近鉄は奈良県への歩み寄りをしなければ、鉄道というビジネスモデルが県によって更に破壊されてしまうかもしれませんね。
<周辺の地図>
2031年に新駅が開業する予定とのことです。楽しみですね!!(2022年8月記載)
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