|近鉄電車レポ|
近鉄京都駅は、近鉄でも2つしかない新幹線と接続した駅の一つ。
しかも、近鉄京都駅は新幹線の出口と直結しており、乗り換え時間は5分程度。とにかく新幹線との接続が便利な駅なのです。
が・・・・ 「使えない近鉄京都線」 という利用者が後を絶ちません。どうしたことか?!
京都駅発の特急は、主に 「奈良行き」「橿原神宮前行き」の2種類。
1時間に4本も特急が走ってるが、西大寺より南方面へ行く特急は2本のみで30分間隔。
対抗するJR奈良線は複線化も進み、スピードアップ。特急料金不要なのに車両は快適なクロスシート。
・・・と、いうことで、どうすれば、近鉄京都線が良くなるか検討してみました。
西大寺駅にて・・・京都からの奈良行き特急と、大阪からの奈良行き特急が2分間隔で発車。
これが橿原神宮前行きになれば、特急利用のメリットも増します。
<ガッカリ近鉄京都線>夜10時少しを回ると、西大寺より南側へのアクセスがやたら不便になる 近鉄京都線で西大寺より南の方面へ行こうとすると、ガッカリなことが良くおきます。 22:10、東京出張の帰りのお疲れのサラリーマン。京都で乗り換えて、さー、近鉄特急でゆっくり家に帰るとするか・・・ 大和八木近くの自宅に帰るので、橿原神宮前行き特急で帰ろう。どれかなぁ・・・?! 22:00に橿原神宮前行きの特急が発車済み、22:01 橿原神宮前行きの急行も発車済み。 その後、特急・急行は奈良行きしかないため、途中で乗り換えて普通しかない状態。 その他の時間帯でも、特急は1時間に4本も運行しているにも関わらず、35分程度の奈良行きの短距離特急がそのうち2本。 特急の利用メリットがある中距離の橿原神宮前行きの特急は残り2本のみ。 以前は、奈良行きと橿原神宮前行きが併結していたのですが、不便になりました。 |
<ガッカリ近鉄京都線>経路検索で30キロも経路が遠いJR大阪経由を勧められる 特急の場合、京都ー橿原神宮前間は55分程度。 急行の場合、京都ー橿原神宮前間は75分程度。 特急を利用すると、運賃+特急料金で、やく運賃の約2倍を要します。 「乗り換え案内」で京都から大和八木へ検索してみると・・・ ・・・検索結果 「最速・最安」は、「京都⇒(JR)⇒大阪⇒(JR)⇒鶴橋⇒(近鉄)⇒大和八木」 距離は約85km。近鉄より30kmも遠回りして、3回乗り換えても、近鉄特急に乗るよりも安くて早いとの結果が出ます。 (検索するタイミングによっては異なりますが) 距離が近いのに、残念です。 |
近鉄京都線はせっかく新幹線との接続という好条件を活かしきれていないのです。
京都駅から近鉄特急を利用する人はどんな人か、検討してみましょう。
@新幹線で出張帰りのおつかれサラリーマン、京都駅から座ってゆっくり帰りたい家族連れ
・高の原、大和西大寺(学園前・生駒・奈良)、大和八木(名張・五位堂方面)、橿原神宮前(高田市方面)
A奈良・飛鳥方面の観光客
・西ノ京、大和西大寺(奈良方面)、大和八木(長谷寺方面)、橿原神宮前(吉野・飛鳥方面)
サラリーマンの出張時の利用を進めるためには、ある条件があります。
サラリーマンは、単に、座れて楽だから、という理由では難しいのです。
「特急利用による時間短縮効果」などの「理由」が必要です。
特急利用の条件を定めている会社が多くあります。その条件を満足しないと、サラリーマンは自腹で特急料金を支払う必要があります。
<条件>
・●●Km以上を利用する。
・特急利用の方が ●●分以上 時間短縮可能である
・特急利用でないと、自宅に帰れないなどの「理由」がある
もちろん、特急の運行頻度が少ないと、時間短縮効果が少ないですね。
この場合、ある程度距離が遠い人が該当します。距離が遠い、西大寺駅より南側へ行くほど需要が高まります。
・自宅近くまで座っていくことができる
・ファミリーなのでまとまった席があると嬉しい
こちらも、座席容量が重要です。
観光客は、ダイレクトに観光地へ行けることが重要です。
・奈良行き は観光客には必須です。
・橿原神宮前 行きは必須です。
本当はダイレクトに飛鳥までアクセスできれば、利用者も増えるのですが、線路幅が違うため、直通ができないのですね。
・西ノ京エリアの停車も重要です。
ただし、重要なのは、運行本数です。行きも大事ですが、帰りの便もコンスタントにあることが重要です。
以前は「併結運転」をしており、本数が確保されていましたが、なくなってしまいました。
特急利用のメリットがあるのは「それなりに距離がある利用者」です。そのため、西大寺より南側になるほど特急ニーズが高まります。
また最近、利用者が急増しているのは、京都←→大和八木〜橿原神宮前駅間の利用者です。
この京都〜橿原神宮前間の特急は、「空気を運んでいる」と言われている近鉄特急には珍しく、満席で予約できない場合も良くあります。
その割に、運転本数が少ないという実態があります。
大和八木周辺(五位堂〜榛原)は、新幹線利用のために新大阪へ出るか、京都へ出るかの2択となりますが、最近では、新幹線利用者が近鉄特急を使うというケースが増えてきています。また、五位堂駅など大和八木の周辺駅では住宅開発が進んでおり、ビジネス用途での利用ニーズも高まってきています。また忘れていけないのは通学ニーズです。京都の大学へ通学する学生のニーズもうまく取り込むことも大切です。
そのため、京都〜橿原神宮前間は、確実に利用ニーズが高い「朝」と「夕方から夜」に1時間に4本程度運行することが特急利用者獲得の肝になります。
こちらもそれなりに利用者が多いのですが、短距離なため、時間帯によっては2両編成で運転されることもあります。こちらも運行頻度が重要です。以前実施されていた「奈良」「橿原神宮前」行きの併結運転の再開なども選択肢にあるでしょう。近鉄では、併結時に車内通り抜けを重要視しているようですが、JRや京急などでは通り抜けができないケースも多く、幌の取り付け作業などを省略すれば、連結の時間の短縮も可能ではないでしょうか。
併結設運転時、西大寺駅での切り離しの様子。(前4両が橿原神宮前行き、後ろ2両が奈良行き)
また、大和西大寺駅は3路線が平面交差しており、次々と電車が駅に入るため混雑も激しいので、西大寺駅で併設・切り離しが難しい場合、高の原で実施するということも可能かと考えられます。
特急を利用する「理由」として、最低限、京都〜大和八木間では、急行を利用するよりも、特急の方が「20分以上」短縮効果があるようなダイヤが重要です。
現状、「橿原神宮前行き急行」の前後に「橿原神宮前行きの特急」が設定されていますが、特急利用による時間短縮メリットが少ないのが実態です。
「奈良行き急行」の前後に「橿原神宮前行き特急」を設定するなどで、特急のメリットを高めるようにしてほしいですね。
現状、橿原神宮前行きの特急は、なんと22:00が最終です。奈良行きの特急は22:50。
東京から新幹線で出張で帰ってきて、22時を過ぎて京都駅に着いたお疲れサラリーマンもがっかり・・・
しかも、22:01分の橿原神宮前行きを逃すと、その後、橿原神宮前方面へ直通する急行はありません。
東京からの出張帰りを意識した運行ダイヤも考えてほしいですね。
東京へ出張する場合、比較的早い時間帯の新幹線に乗車するケースが多くあります。
しかし、大和八木方面から京都への特急は、早朝にありません・・・。これから出張というのに、荷物を抱えて、ロングシートでゆったりできない急行で行く必要があります。
早朝こそ、特急ニーズがあります・・・。
近鉄特急の料金は、運賃の2倍近く必要となるため、なかなかお手軽に利用できないのが実態です。
1時間程度の短距離利用の特急料金がもう少しお手軽になれば良いですね。
(大半の特急は、空気を運搬している状態ですし・・・)
また人数が多いファミリーで利用する場合、割引があると嬉しいですね。
線路の幅が違うのですぐには実現できませんが、橿原神宮前どまりではなく、「飛鳥」まで京都から直通可能とすることで、新たな観光客の掘り起こしも可能ではないか考えます。
ただ、観光用のフリーゲージトレインの方が実現性がありますね!
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