コロナ禍で利用者が激減している近鉄が一日乗り放題「近鉄1dayおでかけきっぷ」という太っ腹な切符を発売しました。
期間は2021年10月8日(金)から12月30日(木)の間、乗車当日限りです。
このきっぷのすごいところは、エリア限定・事前購入が必要であるとはいえ、一日乗り放題ということ。途中で降りてもOK。
料金も大阪・奈良・京都版は1000円(子供500円)、愛知・三重版は1500円(子供750円)ということで、太っ腹な料金です。
これなら大人2人・子供2人の計4人のおでかけでも、交通費は3000円で確定。車のガソリン代・高速道路代・駐車場代の合計とさほど引けはとらないかもしれないです。
コロナ禍をきっかけに、おでかけは車という流れが定着してきてしまっています。特に、関西エリアは、バイパス道路や高速道路がつぎつぎ開通しており、家族でおでかける場合、車の方が「安い」「早い」「楽」ということになってしまっています。途中で巨大ショッピングモールに寄ってお買い物、なんてこともできますし、子供が小さくて寝てしまっても楽チンですね。
電車だと1回の家族でのおでかけで交通費だけで何千円、しかも面倒・・・というような事になってしまっています。
目的地が都心部でない限り「電車」でのおでかけ利用が減少する一方・・・鉄道会社には厳しい状況が続きます。
「近鉄1dayおでかけきっぷ」はこのような切符です。大阪・京都・奈良版です。フリーと書かれています。
主要駅にあるちょっと多機能な自動券売機で購入できます。
ただし、前日までに買わなければいけません。おでかけの前日までに駅に行って切符を買うって、めんどうです。
ちなみに、こちらは乗車券ではありませんが必要です。捨てないようにご注意を。
この切符は、近鉄の利用者離れが止まらない危機感が表れかと思います。でも、需要喚起には良い切符かと思います。
一日乗り放題ということで、いままでならば、電車賃がかさむため、途中で下車してお買い物ということを躊躇していたのですが、気軽に途中で下車することができます。
1日乗り放題で1000円、というのは、実は布施〜近鉄奈良間の往復と同じなので、利用区間によってはお得にならないこともあります。
何度か途中下車をして街ブラをするにはいいかもしれないですね。
大阪・奈良・京都版では、「大阪難波」を出発した場合、「京都」「吉野」「橿原神宮・飛鳥」「長谷寺・室生寺・桜井エリア」のおでかけの場合、かなりお得感があります。また「生駒山上遊園地への往復」などでもかなりお得感があります。
奈良中部エリアからは「大阪難波」「京都」などがお得になります。
住んでいる場所によって、お得になるところが違ってくるので、普段、遠くてあまり行かない所へも気軽に行ってみることもできます。
「京都」〜「吉野」間ですと、片道だけで1000円を超えるのでかなりお得になりますね。
近鉄の悪いところですが、この手のキャンペーン切符は期間限定で発売して、みんな知ったころに終わってしまうことが多いのです。浸透する前に、無くなってしまいます。
安く利用をさせたくない・・・、という思いがあるかもしれませんが、車という代替え手段が主流となり、しかも割高感があって、家から駅まで行く必要がある混雑するなどデメリットが多い電車は、もはや交通の選択肢から外されていっています。
このような切符がキッカケとなって、おでかけの時に電車を利用する人が増えると思います。
そもそも交通手段として利用されないようになるよりもは、利用してもらった方がいいのでは、と思います。その為にもこれからも継続して販売して欲しいですね。
おでかけは、天気によって変わってきます。現状、当日は購入できないというルールですが、「今日いい天気だから、電車とケーブルで生駒山上遊園地でもいくか?」なんて場合は利用できません。
実際に買いに行った時「普段、電車を利用しない人や、駅が遠い人は、この切符を買うためだけに車で来て、駅前駐車場に停めて、切符を買う?」という、事前に切符を買うというハードルがあることに気づきました。
本気で、普段電車を利用しない人のおでかけ利用を狙うのならば、おでかけ利用の多い「土・日・祝」だけでも当日販売にしてもいいのでは・・・と思います。
電車でのおでかけのいいところの一つに、駅前の百貨店に寄ってお買い物ができることです。
大阪上本町、大和西大寺、生駒、布施、大和八木駅には近鉄百貨店があります。以前存在した途中下車制度は、百貨店でのお買い物ができるので便利でした。本気で利用者数を増やしたい、売上を増やしたいと思っているならば、途中下車制度は復活したほうがいいかもしれませんね。
高速道路が次々できて、自動車の優位性が更に高まっている現在、もっと気軽に電車を利用できるようになればいいですね。
鉄道は何と言っても効率的に大量輸送ができる交通手段です。
国も道路建設ばかり進めるのではなく、交通全体のバランスを見た行政をして欲しいと思います。